漢江で夜のスワンボート

以前、台湾人の友人に誘われ岡山の倉敷に旅行に行った。倉敷では友人が決めてくれた古民家ゲストハウスに宿泊した。そのゲストハウスは個々の部屋とドミトリー、ミーティングルームに分かれており、私達は和室一室を借りて泊まった。このゲストハウスは縁を大事にしてほしいというテーマがあるらしく夕方に、宿泊者同士で簡単な自己紹介を行う。その日は日本人、韓国人、台湾人(友人)が宿泊していた。自己紹介を終えた後、私たちは夕飯を食べに外へ出た。帰ってくると、ミーティングルームでは10名くらいが集まり宴会が開かれていた。折角なので私達も混ざることにした。3人の韓国人が目の前にいたのだが、一人は日本語が上手だった。私達は日本語と韓国語の単語や出来ないに等しい英語で会話をし、またどこかで会おうねと連絡先を交換した。

それから数ヶ月が経ち、私は大学時代の友人に会うため韓国へ出かけた。折角だからと思い、倉敷で出会った子に連絡すると、気軽に会いましょうと言ってくれた。その子の仕事終わりに韓国で一番大きな河、漢江(ハンガン)で待ち合わせをした。一緒にお茶をし、漢江のそばを散歩した。横を見ると大きな船型のレストランとその周りにスワンボートが見えた。夜なのにスワンボートが漢江を泳いでいる。夜でも乗れるの?と聞いたところ乗りたいのかと言われたのでうんと答えた。船の横のボートのりばで救命胴衣を着せられ、私達はスワンボートに乗り込んだ。

夏だったのだが、河の上にいると風が涼しく心地いい。川向うがキラキラ光っていてとても綺麗である。軽く漕ぎながらおしゃべりをしていると、突如川岸から拡声器背叫ぶおっさんの声がした。びっくりして尋ねると、流されて遠くに行ってしまったボートを呼び戻しているとのこと。すこし漕ぐのを疎かにするとすぐに流され、河岸にいるおっさんから容赦無く注意をされてしまう。周りにたくさんいるであろうカップルもあのおっさんの声を聞いてはロマンチックな気分も台無しになるんだろうなと思うと笑えた。時々看守のようなおっさんに44号戻れー!!と叫ばれ囚人気分を味わいながら、スワンボートを楽しむだけ楽しんだ。その後、私達は近くのお店でチキンとビールを飲んで解散した。あれ以来その子には会っていないが、その時もうすぐ結婚するんだと嬉しそうに言っていたので幸せに暮らしていてほしいと思う。また、日本では夜にスワンボートを漕げないと思うので韓国へ行った際は、ぜひ夜のスワンボートにチャレンジしてもらいたい。

最新情報をチェックしよう!